◆Chapter-3◆
髪の毛は自身の体内から生成されるという新陳代謝による産物です。
当たり前ですよね？
そうです、当たり前の事です。
では、「そんなこと当たり前だろ」と思った方にお伺いしますが、髪は自分の体から生成されているものであるにもかかわらず、なぜ化学薬品で出来た液体を頭に振り掛けるだけで髪が生えてくると信じているのですか？
むしろ私にはそちらの考えの方が不思議です。
髪の構成物質の80％はアミノ酸由来の蛋白質です。
頭皮も組織の構成こそ違いますが、同様に70％近くがアミノ酸由来の蛋白質です。
そこに石油由来の化学合成物質を投与すると、蛋白質は大なり小なり変異・変性を引き起こします。
それだけでも化学物質が髪と頭皮によからぬ影響を与えてしまう事は容易に想像できると思いますが、薬品となると、更に確実性の高い効果・効能を示さなければならないため、当然、体に強く作用させなくてはなりません。
すると、作用に対する副産物、つまり副作用というものが必ず付いて回ります。
副作用が体に与えるダメージは巡り巡って髪に影響を及ぼしてしまいます。
髪を生やす為の化学物質が、終局的には自身の髪の成育を阻害してしまうという、まさにミイラ捕りがミイラになってしまう理不尽な現象を招いてしまうのです。
それでも「化学技術の粋を集めた育毛剤で髪はきっと生やす事ができる」そうお考えの方にとって当サイトの情報は無益ですからどうぞお引取り下さい。
そういった方は検索エンジンで「育毛剤」と検索すれば星の数ほど引っかかりますので、そちらでご自身の目的に合った育毛剤をじっくりと探して、せっせと振り掛けてください。
あくまでも自己責任で・・・。
では、それ以外の方は、今までの発毛・育毛のどこが間違っているのか、発毛の本質についてもう少し突っ込んでお話させて頂こうと思います。
ちなみに世の中のの全の育毛剤や育毛法を否定する訳ではありませんが、世の中の常識には間違っているものが非常に多いという事もまた事実なのです。
この業界では何故か間違った常識を堂々と論じられていて、また、それがごくごく当たり前の事として皆さんの中に浸透し、常識化しいてる事が多いのです。
ヘアケアの常識的なことで例にとると「頭皮のアブラは毛穴を閉塞して皮膚呼吸を妨げるため毛母細胞の活動を弱め、ハゲになる」なんて聞いたことありませんか？
ありますよね？
このことはごくごく一般的な育毛常識として定着しています。
頭皮のアブラに限らず、化粧品においても同様に「粗悪な化粧品は皮膚を覆ってしまうため皮膚呼吸を阻害してしまうので肌に良くない」といわれ、このことはスキンケアの常識中の常識として広く知られている事です。
育毛・発毛や化粧品業界に携わる人は「皮膚呼吸」というフレーズが大好きなようで、そこかしこでこのような理論が当たり前の事として展開されています。
断っておきますが、毛穴がアブラで塞がって毛母細胞が呼吸できなくなるなんてありませんし、皮膚をいくら覆ったところで呼吸困難になることは決してありません。
というか、そもそも人間は皮膚呼吸なんてしてませんからね(笑)
もちろん汗や皮脂の分泌による体温調節や毒素の排泄というものはあるでしょうが、皮膚そのものが酸素と炭酸ガスの交換を司る事はありません。
この話をすると必ず金粉ショーのダンサーの話を例えに出して否定される方もおられますが、あれは俗説で何の根拠も信憑性もない話です。
本当に人間が皮膚呼吸していたら長時間プールで泳いだり、お風呂に入ったりしたら呼吸困難で死んでしまうというはずなんですが…実際にそんな事は起こりません。
驚く事に人間が皮膚呼吸するのは当たり前であるかのように語る皮膚科の医師と出会うことも少なくありません。
彼等は本当にまともに皮膚科学を学んできたのか疑問すら感じてしまいます。
人間の皮膚というのは水や菌の安易な進入を防ぐ必要があるために強固な皮脂とバリア層によって保護されています。
特に毛根は皮膚のバリアゾーンより奥に存在する為、より強固な毛包と呼ばれる組織で固く保護され、毛穴からは常に水の進入を防ぐために皮脂を分泌しているのです。
ですから無理矢理皮脂を取り除く事は不要な皮膚のトラブルを招いたり、脱毛を加速させる事に繋がります。
頭髪に限定した事で言えば、市販のシャンプーに含まれる石油合成界面活性剤が、化学的に皮脂を分解・乳化させてしまうため必要以上に皮脂を取り過ぎ、経皮から容易に有害物質である化学物質が進入し、脱毛を加速させている原因になっています。
安価な石油化学合成シャンプーの普及に伴い、頭皮を綺麗に洗浄する習慣が定着した頃から、若年層の薄毛が飛躍的に増大したという事も見過ごせない事実です。
つまり皆さんの大好きなシャンプーやリンスのいい香りと引き換えにその髪が痩せていくのです。
であるにもかかわらず「頭皮は清潔に！」「皮脂は除去しなければハゲる！」などといった間違った知識・情報が当たり前の事として認識されてしまっています。
