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煙草と化学物質過敏症〜第1章〜
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◆煙草と化学物質過敏症◆
【化学物質過敏症】あまり聞き慣れない病名かもしれませんがシックハウス症候群と同様、近年、爆発的に増加している環境病です。
化学物質過敏症は国際的にはMCS (Multiple Chemical Sensitivity)[多種化学物質過敏状態]と呼ばれるもので、微量の化学物質を長期間吸い込んだり、一度に大量に暴露することにより発症すると言われています。
シックハウス症候群と同列に扱われる事が多いのですが、シックハウスと決定的に違うのが、反応する化学物質の数が圧倒的に多いという事が挙げられます。
シックハウスは室内環境下のホルムアルデヒドやハウスダストによる中毒症ですので、それら特定物質の除去ができれば症状が緩和できるのですが、化学物質過敏症に関しては、反応する化学物質が特定できず、また、一度発症すると、ありとあらゆる化学物質に対して極めて微量であっても反応するようになり、様々な症状を引き起こします。
症状としては、頭痛、目のかすみ、視力の低下、鼻水、鼻詰まり、耳鳴り、めまい、喉の痛みや不快感、下痢、嘔吐、腎臓障害、咳、呼吸不全、湿疹、筋肉痛、関節痛、のぼせ、異常発汗、不眠、貧血、甲状腺機能障害、など数え上げればキリが無いほど多種多様に渡ります。
しかし、こうした具体的な症状が発症しているにもかかわらず、科学的な解明がなされていない疾病だけに、病院で検査を受けても「異常はない」「気のせいだ」などと診断され、医療機関を何ケ所もたらい回しにされる事も少なくありません。
また、現時点では発症に対する科学的な裏付けが何一つ無いという理由から、仮病や精神病扱いをされることもしばしばあり、病気に対する理解者も少ない為に、常に孤独に苦しめられている患者さんも多いのです。
実は私の高校時代からの親友もこの化学物質過敏症という疾病に侵され、現在も見えない出口を探して必死に毎日を過ごしています。
そんな化学物質による影響で苦しむ人を間近に見ていると、私にも何かできる事はないのかと常に考えるようになりました。
私も化学物質過敏症に関してはまだまだ勉強不足でしたので、直接友人から具体的な症状と、考えられる原因というものを何度も聞いてみました。
彼いわく、ホルムアルデヒドやプラスチック類の化学物質は意識的に避けることができるが、タバコの煙や化粧品の臭いは避けようが無いので何より辛いのだそうです。
その事を聞いて私は一瞬ハッとしました。
実は、その時、私は喫煙者だったのです。
私はそれまでタバコを吸う事でストレスが緩和されると感じていましたし、仮に喫煙によって自分の健康を阻害したとしても、自分自身の選択ですから、かまわないと思っていました。
それに自分を含めた喫煙者がタバコを買ってるおかげで、国の税収が増え、財政に寄与しているんだなどと都合のいい解釈をして特にやめようとも思っていませんでした。
しかし、私の吸っていたタバコの煙でどこかで誰かが死ぬほど苦しい思いをしているだなんて夢にも思っていませんでしたので、かなりショックを受けました。
それまでは、極力、嫌煙者の迷惑にならないよう、配慮してタバコを嗜んでいたつもりでしたが、タバコの煙だけでなく、吸い終わった後、喫煙者の吐く息からはしばらくタバコの臭いが残り、その臭いでも化学物質過敏症の人は発症してしまうのだそうです。
そこまで聞かされたら、もはや喫煙による害は他人事ではありません。
それ以来、タバコを止め、お蔭様で今ではタバコに依存する生活など考えられない程、快適で健康的にな生活を送れるようになりました。
もちろん、タバコだけが化学物質過敏症を悪化させる原因ではありません。
車の排気ガスや塗料・接着剤等の揮発溶媒、更には農薬や化学肥料、更には食料品に添加される防腐剤や水道水の塩素、香水や化粧品に含まれる香料など、とにかくありとあらゆる化学物質と名の付くものに反応し、悪化させてしまうという非常に深刻で厄介な疾病なのです。
まだまだ化学物質過敏症という病気は一般的ではありませんし、なかなか認知されにくい病気だと思います。
私は少しでも多くの人にこの病気の事を知っていただきたい気持ちと、疾病で苦しんでいる方々に対して何か一つでも役に立てたらという一心で筆を取りました。
正直、今回、タバコに関してあれこれ書くことには自分自身かなり抵抗がありました。
愛煙家の方の言い分も、嫌煙家の方の言い分も、それぞれに理にかなっている部分があり、それらを天秤にかけるような事になりはしないか・・・
実際、喫煙は非常にデリケートな問題だけに、短絡的に受け取られて非難を受けてしまう可能性も充分あります。
それに中立的な立場で書こうにも、どうしても否定的な意見になりやすく、文面の構成にも相当悩みました。
しかし、間違いなく、化学物質過敏症で苦しむ人にとって最も嫌悪感を感じるものがこの「煙草の煙」である以上、私は率直に意見を述べる事に致しました。
現在、日本で化学物質過敏症を発症している患者数は約数万人と言われています。
日本の総人口1億6千万から見れば極少数しかかからない疾病だと考えられています。
それゆえに厚生省からは正式な病気として認知してもらえず、それにまつわる治療は全て保険適用外というのがこの病気の実態なのです。
しかし、まだ発症には至っていないものの、化学物質過敏症を潜在的に抱え込んでいる予備軍に当たる数は実に1000〜3000万人は有に存在すると言われています。
つまり、化学物質過敏症は我々にとって、それほど縁の浅い病気ではなく、誰でもかかる可能性がある環境病なのです。
そして忘れてはならないのが、今現在、化学物質過敏症という病に侵され、日々苦しんでいる人が私たちの身の回りにも確実に居るという事です。
我々健常者は何を考え、どう行動すべきか考えなくてはならないところまで既に来ています。
まずは、自分自身で出来ることから始めてみてはいかがでしょうか?
その「できること」のひとつが喫煙のマナー改善であったとしたら、愛煙家の皆さんはどうお考えになるのでしょうか?
次の章では喫煙についてもう少し突っ込んでお話させていただきます。
〜第2章〜 「煙草は害か?嗜好品か?」に続く |
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